木村 勝

木村勝

ある日、店の前に大量に出したハギレを大量購入したいと入られたお客様の木村さん。普段ハギレを買う大半はおばさまであり、シニア男性はかなり意外だったため「何に使うのですか?」と聞くと、「毎日、リハビリで布草履をつくってる」と筆談で教えてくださった。過去の手術で声を失ったそうだったが、わたしには「草履を継続的に作れる手話ができる人」として光って見えたものだ。

ハギレは販売せず差し上げることとし、かわりにそのハギレで着物草履を作ってもらえるようにお願いしたところ、数日後大量のかわいい草履が届いた。販売開始し、人気が出ると、木村さんに使ってもらいたいと近所の方から大量の着物の寄付が続く日々。途中半年くらいこなくなったり、長期入院がはいったりしながらも、実は3年ほどのお付き合いになる。

手話が国によって表現が異なることも(おもしろい!)、筆談で話すと必ず1ターン1ターンになるので主張を互いにしっかりできることも、木村さんに教えてもらった。