machimin2/まかない食堂

machimin2 まかない食堂へようこそ。
子どもの居場所は子どもが「作る」、そしてみんなの居場所に。

プロジェクトの概要(2020.3〜2022.12)

空き家や不用品などの活用

「壁を壊して、輪を創る」というコーポレートコピーを体現するイベントとして、壁をみんなでぶち抜きワンフロアにしたり、壁を塗るワークショップをして作ったmachimin2。サザエさんがモチーフの和室、ドラえもんがいそうな部屋、半地下、キッチン拡張、面白い工夫を近隣住民のみなさんとDIYで行っています。

これ作りたい!をかなえる

「マカロンを上手に作れるようになりたい」、「炊飯器で白米炊飯と同時にカレールーを作れると聞いたので、やってみたい」、「ありもので料理をできるようになりたい」、「得意料理をふるまいたい」。たくさんの「やりたい」に向き合い、「好き」「得意」を大切にしてもらう場です。

与えられるのではなく、生み出す経験

助成金や寄付をもらわず、いかにして自分たちで運営費を稼ぐかにこだわっています。調理や掃除だけでなく、自分たちの居場所を守るために商品開発・販売などをして利益を出す工夫をしています。

プロジェクトのその後「 machimin2は閉める」

活動を始めて1年半が経ち、machimin1には人や活動が増えすぎてぐちゃぐちゃになってきました。流山駅とは全く違うエリアに空き家を探していたところ、素敵な大家さんを紹介頂きました。

当時machiminは、テレビや新聞によく取材されていたのですが、たまたま大家さんにご挨拶に行く前日にテレビの放映がありました。自分たちの活動を伝えたく、また私たちは怪しいものじゃないと感じてもらうために、必死にたくさん喋っていたら、帰り際大家さんに言われました。「お話はよくわからなかったけど笑、昨日テレビを見たので、今までの活動の軸となる想いが感じられました。今からやることが成功するかはわからないけど、真剣であることはよくわかりました。ぜひうちの物件を使ってください。みんなが喜ぶ場所になったら嬉しいです。」

賃料負担が実質ゼロなど、あまりにこちらに有利な条件で話が進み、時に地域の皆さんと繋いでくださり、自治会の活動などでもご配慮くださり、さらには物件の壁をぶち抜くなど自由な使い方にOKいただき、そして時々遊びに来てくださいました。

市の高齢者支援課の「高齢者ふれあいの家」として子ども食堂を始め、多世代交流を目指し、ご飯を食べさせてあげるのではなくご飯を一緒につくり、また子ども自身がご飯を作れるようになる場所として活動しました。

欲しいものリストを公開して、今不要になったものがあればください!と広報すると、様々なものが集まりました。棚も机も本も、ミシンも食材も冷蔵庫もおもちゃも、何一つ買う必要はありませんでした。

夏休みには、子どもたちが失った思い出を自分たちで作ったり、何かを得意を披露したり、休んでダラダラしたり、喧嘩もしてわがままを散らしていきました。自分たちの場所は自分たちで作るんだと運営費を稼ぐために商品開発・販売もやりました。協力したいといろんな大人が訪ねてくれました。

やはり駅直結の透明のmachimin1と比べ、住宅街の道から入ったとこにある普通の戸建てであることから、とてもクローズドでした。だからうまく行ったこと、だからうまく行かなかったこと、どちらもあります。ふらっと覗くことはない場所ですが、ここに来てくれた人は実は結構多いです。

来てくださった方は、福祉に興味がある人や、今何かしら困ったことがある疲れている人、単純にご飯を作りたい人がいました。
・新しく保育士、社会福祉士になると出ていき、なった
・子ども食堂を運営したいときて学び出ていき、やってる
・学校に行くようになったり、行かないままだがやりたいことはみつけたり、かけがえのない経験をしたり。もうこなくなったけど、拠点を閉めるというと悲しんだり怒ったりする
・福祉専門家や地区社協などの団体から、人に案内したいと申し出が多数あり、machimin2施設内ではなく拠点外で形になっていった
・学校の長期休みに来てくれた学生たちは社会人に、大学生になった
・子どものために来た人が、知らぬ間に自分のレスパイトになっていて、それも終わりこなくなった
・卒業したが別拠点にて自分のペースでみりん菓子を作り続けてる

この度閉めることを決めてから、活動の中で大変お世話になっていた方が「社会活動がやりやすく、倉庫や事務所としても使える場所」を探していることを知り、大家さんとお引き合わせし、次の借り手になって頂くことに決まりました。

・漫画図書館
・とうかつ草の根フードバンク の流山サテライト
・流山子ども食堂ネットワークの事務所
などが運営されます。

居抜きなので、みなさんにいただいた備品は基本そのまま引き継がせていただく予定です。また、流山駅にあるmachimin1にはキッチンがありますので、不定期にはなりますが「子どもが振る舞う子ども食堂」はやっていきたいと思います。

(執筆:2023年1月7日 手塚純子)