machimin4/パークマネジメント

公共空間をmachiminが運営するとどうなるのか、という実験!
公園をまちのお庭に。

プロジェクトの概要(2020.12〜2022.12)

はじめましての誰かと遊ぶ

プレーパークでは、毎週、遊具やおもちゃがなくても、アイデア一つで楽しめる体験を実践しています。同じことをしてもいいし、しなくてもいい。公園でそれぞれ遊んでいるうちに仲良くなることもあるオープンな場です。

月一の公園会議

月に一度、公園やmachimin1(流鉄流山駅の縁側)にて「やりたい」ことについて話す場を開催しています。日常使いの提案から、大型イベントのテーマに合わせた提案など、内容・頻度・温度は自由です。

流山市と協定「公園をまちのお庭に」を締結

パークマネジメント要件検討のための協定締結。公園活用や可能性を考え、夜の駄菓子屋、テント宿泊、焚き火、ワインbar、一面プレーパークなどを開催しました。公園でできないとされる理由を考え、理解し工夫する中で一緒に越えていきます。

プロジェクトのその後「machimin4は移動、協定、卒業、拡大する」

活動開始して3年が見えてきた頃、machimin1の形が完成しかけていて、machiminなんて誰も知らない環境で、他人のフィールドで1からやりたいという気持ちが芽生えていました。

東深井地区公園という、森の図書館の隣にある公園の真ん中に週1回、椅子と本だけ持参して、居ることから始めました。

12月に始めるという一番公園が辛くなるであろう時から…寒くて寒くて、誰も来ないし、なぜやれたのかもわかりませんが1年はやろうと決めました。梅雨も強風も真夏も真冬もやりました。新緑やお花見、紅葉も楽しみました。

なにがしたいの?
中華系宗教かと思った。
子ども系の団体なの?
植物の調査してるの?
ヨガとか太極拳を教えてくれるの?
毎週散歩してると毎週見えて次第に気になってきた。

みんな、「なんなんだろう?」とワクワク、不安がりながら、遠巻きに、じわじわ、のぞいて、話しかけてくれました。

もっと、公園を楽しめる。
誰も私を知らなくても、お金がなくても、特別なことをしなくても、できる。その仮説を試していました。

公園に毎週居たら季節や時間の移ろいも知れたし、興味本位で声をかけてくれる人たちが「これやれたらいいな、できるならしたい」と言う話を聞かせてくれ、それはかなりの量出てきました。

半年過ぎたある日、市のまちづくり推進部の部長や、みどりの課の課長が来てくださり、「同じやるなら総合運動公園でやってみないか」とお誘いいただきました。市がパワーと時間をかけて再開発しており、住民のやりたいがやれる工夫をしていきたい様子でした。
そして、「公園をまちのお庭に」というパークマネジメントの要件を検討するための協定締結に至ります。

月一で公園会議を開催し、みなさんの“やりたい”を語ってもらい、実際に自分が実行する気がある人とどんどん企画を進め、春、秋に大きなイベント開催しました。

総合運動公園では、machimin4という名前はあえて使いませんでした。うちのこだわりや制約を適用せず、ただ協定に沿って、みんなのやりたいの中央となりそうなコンセプトを置き、あとは手伝いました。そして「住民の“やりたい”がもしmachiminの縁側ではやれないなら、公園をおすすめしていく」ことにしました。

1回目は「普通公園ではできないとされていることは、本当はやれる。と表せるか」、2回目は「運営負荷を下げて調整だけで、各々に自由にやりたいをかなえ、同時に他の人にも楽しんでもらえるか」を裏テーマにして。私たちがやりたいことを考えてそれをやってくれる人を見つけたのではなく、みなさんが実際にやりたいということを一緒にやったからこそ、イメージしていたよりもっともっと素敵な場になっていきました。

そして、公園会議を始める時、同時にプレーパークを開催しました。と言っても、テントに松ぼっくりや枝、余ったペンキや毛糸を置いただけです。
そこから、「プレーパークをしてみたかった」と言う人や「次あるならまた行きたい」「プレーパークでこれやっていい?」という声を聞いて、毎週試行錯誤を繰り返した人がいます。

これは想定外だったのですが、やっている本人のやりたいをやり続けていたら次第に「プレーパークは別団体である」と言う結論に至ったようで笑、それが 「プレーパーク流山」です。
まさに、これを卒業というのだと大発見させてもらいました。(参照:著書「もしわたしが株式会社流山市の人事部長だったら」)

公園での最大の学びは、「公園ではmachiminの名前はいらない。具体的にいるのは企画サポートやアシスト、関係者調整、鼓舞。何より人との組み合わせを最適に行い、最終的に一つにまとめ上げること」で、
そして参加すると結果的に「自分のやりたいが人のやりたいにもなる喜びの先に、公共が何かを考える機会になること」がわかりました。

総合運動公園に来て1年。
ここでやったことが流山の他にも広がっていくとよいなと願って、「公園会議で話し合い、総合運動公園で自ら実践し、新しく実践する人をサポートして、それができた人は、他の公園で活動を拡大して良い。」という一文加えて協定を更新済みです。流山の公園は約300あるそうですから、楽しみですね。

そして引き続き、公園外のmachiminでも公園会議を毎月開催していきますが、machimin4という名前は使いません。

(執筆:2023年1月8日 手塚純子)